アニメ映画の世界がリアルな舞台に!劇団四季ミュージカル「バケモノの子」あらすじと魅力を紹介
ミュージカル「バケモノの子」は、劇団四季が史上最大規模のスケールで作り出した注目のオリジナルミュージカルです。
細田守監督のアニメ映画「バケモノの子」を原作にした国内初のミュージカルは、アニメの世界が巧みに表現された舞台、全世代が見入ってしまう魅力的なキャラクターとストーリーに目が釘付けになってしまいます!
今回は劇団四季ミュージカル「バケモノの子」のあらすじと登場人物、魅力を詳しくご紹介します。
■あらすじ
◆1幕
バケモノが暮らす渋天街では、街の長である総帥が引退を宣言したことで、「次の総帥は誰だろう?」と誰もがソワソワしていました。
後継者候補は、強くて荒っぽい熊徹と強さと品格を合わせ持つ猪王山の2人。
これまで弟子をまともに振らず傍若無人に振る舞ってきた熊徹を見かねて、総帥は彼に弟子を取るように命じます。
一方人間界では、9歳の少年・蓮が夜の渋谷の街を彷徨っていました。
両親が離婚し、母親を亡くした蓮は親戚の家に一人で引き取られる予定でしたが、一人で飛び出してしまったのです。
そんな蓮が出会ったのは、弟子を探しに渋谷にやってきた熊徹。
蓮は熊徹を追って渋天街に迷い込み、彼の弟子になることを決意します。
出典:劇団四季公式Instagramアカウント(@gekidanshiki_official)
渋天街で「九太」と名付けられた蓮は、熊徹の粗暴な振る舞いに反発しながらも、百秋坊や多々良たちバケモノの仲間の助けを借り、生きていくための強さを身につけていきます。
猪王山にも、九太と同じ年頃の2人の子供がいます。
上の子供である一郎彦は、人間界からやってきた九太のことをあまりよく思っていません。
彼は父のような強く立派な化け物になりたいのに、成長しても父と同じような牙が生えてこないことに人知れず悩んでいました。
出典:劇団四季公式Instagramアカウント(@gekidanshiki_official)
やがて、九太は武術に長けた青年へと成長します。
17歳の九太は熊徹の一番弟子として渋天街でも一目置かれる存在になりましたが、自分は人間とバケモノのどちらの人生を歩むべきか考えるようになりました。
そんなある日、偶然人間界に戻る手段を見つけた九太。
自分らしい生き方を求め、再び人間界へ足を踏み入れます。
◆2幕
ハロウィーンで賑わう渋谷の街で、九太は高校に通う少女・楓と出会います。
九太は楓と交流するうちに読書や勉強の楽しさを知り、学校に興味が湧いてきました。
しかし渋天街では次期総帥を決める熊徹と猪王山の決闘の日が急遽取り決められます。
熊徹は美術の稽古をさぼってまで人間の世界で学ぼうとする九太を理解できず、実の親子同然であった二人の関係に亀裂が生じます。
#バケミュの裏側
リハーサルより——
渋天街と人間界を巻き込んだ大事件、
対峙する蓮と一郎彦。緊迫のアクションを、蓮の目線で。#バケモノの子#バケミュhttps://t.co/JliH1bklb6 pic.twitter.com/qLClROY4Z5
— 劇団四季 (@shiki_jp) February 6, 2023
出典:劇団四季公式Twitterアカウント(@shiki_jp)
また一郎彦と猪王山の親子にも重大な事実が隠されており、一郎彦は我を忘れて心に闇を抱えるようになってしまいました。
それが原因で、やがてバケモノ界と人間界を危険に晒す重大な事件が起こってしまいます。
総帥の座は、熊徹と猪王山のどちらか。
そしてバケモノ界と人間界の間で、九太は自分の道を見出すことができるのでしょうか?
■「バケモノの子」の主な登場人物
◆蓮(九太)
母を亡くし、父とも離れ離れになった孤独な少年。
一人で生きるための強さを身につけようと熊徹に弟子入りし、九太という名前をもらって渋天街で暮らす。熊徹に出会った当初は9歳であったため九太と名付けられたが、劇中では17歳の立派な青年へと成長する。
◆熊徹
出典:劇団四季公式Instagramアカウント(@gekidanshiki_official)
熊のような見た目をした渋天街に暮らすバケモノで、次の総帥候補。
独学で武術に励み、街の中でも一二を争う強さを持つ。
強い信念を持っているが、乱暴な性格ゆえ弟子がみんな辞めてしまい跡取りがいなかった。
総帥から弟子を取るように課され、蓮を引き取り九太として弟子にする。
◆猪王山
熊徹と同じく総帥候補の猪のようなバケモノ。
強さだけではなく品格もあり、弟子や息子たちを連れて街の警備をしている。
◆宗師
うさぎのような長い耳を持つ渋天街を治めるバケモノ。
総帥の世代交代を決め、バケモノから神に転生すると宣言する。
◆百秋坊
豚のような顔をしたバケモノで、熊徹の旧友。
思いやりと物事の道理をわきまえた僧侶で、九太の成長を助ける。
◆多々良
猿のような見た目のバケモノで、熊徹の旧友。
頭の切れる皮肉屋で、最初は人間の九太を軽くあしらっていたが、九太の頑張りを認めて百秋坊とともに九太を支える。
◆一郎彦
出典:劇団四季公式Instagramアカウント(@gekidanshiki_official)
猪王山の長男で、九太と年の近い少年。
父のように強くなることを夢見ており、日々武術の練習と街の警備に励む。
いつも顔を覆うようにフードを被っている。
◆二郎丸
猪王山の次男で、一郎彦の弟。
最初は九太の弱さをバカにしていたが、次第に成長して強くなった九太を認め友人になる。
◆楓
九太が渋谷の街で出会う女子高生。
大学進学のために勉強に励んでいるが、親からの期待に息苦しさを感じている。
■【魅力①】豪華クリエイターと劇団四季が表現するアニメ映画の世界
出典:劇団四季公式YouTubeチャンネル「shikicahannel」
アニメーション映画で描かれていたバケモノの世界を表現するため、ミュージカル「バケモノの子」には国内外から集まった気鋭のクリエーター陣のセンスがあちこちに光っています。
映画の中で熊徹と猪王山が体を巨大化させて闘うビーストモードのシーンやクライマックスに登場する巨大な白鯨は、俳優たちが動かすパペットで表現。
パペットのデザインと演技指導を担当したのは、「ロボット・イン・ザ・ガーデン」や「リトルマーメイド」などの劇団四季ミュージカル、舞台「千と千尋の神隠し」のパペット制作でも知られるパペットクリエイターのトビー・オリエさんです。
参考URL:https://youtu.be/VgHLn_Acso8
出典:劇団四季公式YouTubeチャンネル「shikicahannel」
脚本と歌詞は、「アナと雪の女王」を始めとしたディズニー作品の翻訳を手掛ける高橋知伽江さんが担当しました。
セリフのひとつひとつにも映画の世界観が反映されており、熊徹が九太に教えた「胸の中の剣」という言葉は、印象的なミュージカルナンバーの歌詞になっています。
他にも特殊メイクを施した俳優陣の表現力、アニメーションさながらの印象的なシーンを表現するマジックなど、映画の世界が目の前の舞台で繰り広げられる様子には目が丸くなってしまいますよ。
■【魅力②】子供目線・親目線で楽しめる全世代向け作品
出典:劇団四季公式Instagramアカウント(@gekidanshiki_official)
ミュージカル「バケモノの子」はキャラクターたちの不器用な親子関係や子供から大人へと成長する若者の葛藤が描かれていて、子供も大人も親しみを持てる作品になっています。
九太と熊徹、九太と実の父親、一郎彦と猪王山のそれぞれの関係は、親子の絆がありながらもどこかいびつで完璧ではありません。
「親にわかってもらいたいのにわかってもらえない」子供のジレンマ、「子供のためにしていることが裏目に出て子供を傷つけてしまう」親の苦悩が繊細に表現されていて、思わず共感してしまいます。
思春期の九太、楓、一郎彦が悩みもがく姿も、どこか他人事のように思えないリアリティがあって彼らが身近に感じられるはず。
子供の目線からも親の目線からも楽しめるストーリーなので、お子様の長編ミュージカルデビューや家族での観劇にもおすすめです。
■まとめ
驚きが満載の劇団四季ミュージカル「バケモノの子」は、2023年3月21日(火・祝)まで東京のJR東日本四季劇場[秋]で好評上演中!
2023年12月10日(日)からは大阪の四季劇場で上演される予定なので、ぜひバケモノたちの魅力的な世界を劇場で体感してみてはいかがでしょうか?
ミュージカル、演劇鑑賞が大好きなハピエルライターによる記事です。
2022年よりエンタメハピエルの記事を執筆しています。
劇団四季、宝塚歌劇を時々見に行っています。
関東在住ライター、関西在住ライターがリモートワークで執筆しています