【初心者向け】宝塚歌劇団の観劇にまつわる疑問&用語を解説!
来年で創立110周年を迎える宝塚歌劇団は、国内だけではなく海外にもファンが多い日本を代表する演劇集団です。
長い歴史の中では組制度やスター制度などの独特なシステムが生まれ、ファンの間でも専門用語のような言葉が当たり前のように使われています。
他社のミュージカルと比べて、「宝塚はなんだか特別感がある・・・」と思っている人も多いはず。
そこで、今回は初心者に向けて宝塚の観劇にまつわる疑問やファンが良く使う用語を解説します!
宝塚を初めて観る人やハマりたての人はぜひご覧ください♪
■宝塚作品を観劇するときの疑問7選
宝塚歌劇団の作品を観劇するときに初心者が良く疑問に思うことをまとめてみました。
観劇時のポイントや推し活についてなど、7つの疑問にお答えしています。
Q1:どんな服を着ていけばいいの?
A1:いつも通り、好きなファッションでOKです。
ファンの間でも、Tシャツにデニムのようなカジュアル系からワンピースのようなフェミニン系まで服装はさまざま。
ヘアメイクについては、後ろの席の人の邪魔になるようなアップヘアは控えましょう。
Q2:事前に調べたほうがいいことは?
A3:観に行く作品を演じるのが何組なのか、その組のトップ男役・娘役がどんな方たちなのかを把握しておくとより楽しめます。
作品についても宝塚の公式ホームページに詳細が書いてあるので、歴史ものなどストーリーが複雑そうなものは予め調べておくと理解が深まりますよ。
Q3:楽しく鑑賞するためのポイントは?
写真3
A3:絶対にしなければいけないわけではありませんが、出演者の登場時や物語の演出上、客席から拍手や手拍子が起こります。
拍手と手拍子のタイミングはどの公演でも複数回あるので、周りに合わせて一緒に参加すると一層楽しいのでおすすめです。
また、他の演劇作品を観るときと同様に、周りに迷惑をかけないよう観劇マナーは守りましょう。
Q4:舞台の写真は撮っても平気?
A4:上演前の幕が開いた舞台の写真は撮影OKです。
周りの人の邪魔にならないよう、客席から写真を撮るようにしましょう。
宝塚の舞台セットはキラキラしていたり演目のタイトルがデザインされていたりするので、観劇の良い思い出として残せますよ。
Q5:宝塚っぽさ満点の大きな羽根やラインダンスは必ず観られますか?
大きな羽、ラインダンスの写真
出典:キャトルレーヴオンライン公式Xアカウント@tcaonlineshop
A5:見られます!
大きな羽根は出演者が最後に大階段から降りてくるときに、娘役さんたちによるラインダンスはショーかフィナーレに登場します。
それぞれ、舞台を盛り上げる宝塚歌劇の見どころです!
Q6:高いイメージがあるけど、お金がなくても楽しめますか?
A6:楽しめます!
専用劇場で上演される通常公演のチケット料金は一番高いSS席で12,500円、一番安いB席で3,500円です。
豪華なドレスや舞台セットのイメージが強い宝塚はお金がかかりそうと思う人も多いようですが、実際のチケット代は他社のミュージカルと同じくらいか、それより少し安いくらいなんですよ。
また、劇場が遠くて行きづらいという人は、U-NEXTか楽天TVで見られる公演のライブ配信(3,500円)や、全国各地の映画館で見られるライブビューイング(4,700円)もあります。
こちらも少しお安い値段で最新公演が楽しめる方法ですので、おすすめです。
Q7:男性でも楽しめますか?
出典:山里亮太さん公式Instagramアカウント@ryotayamasato
A7:楽しめます!
宝塚ファンを総称して「ヅカファン」と呼びますが、中でも男性は「ヅカ男子」と呼ばれていて最近はファン人口が増加しているんです。
お笑い芸人の山里亮太さんや、俳優の及川光博さんもヅカ男子で有名ですね。
劇場に行くと、一人観劇を楽しむヅカ男子もいれば、奥さんや娘さんに感化されて一緒に宝塚を好きになるお父さん世代もいます。
男性目線からもジェンヌさんたちの美しさは惚れ惚れするものがあるようで、十分に堪能できると思いますよ。
■宝塚ファンがよく使う用語集
宝塚ファン・通称ヅカファンは、独特な用語を良く使うので知らない人は疑問に思うことが多いのではないでしょうか?
そこで、ファンが良く使う用語を劇場・公演関連、公演内容関連、推し活関連の3つに分類してまとめてみました。
◆劇場や公演について
劇場の呼び方や劇場周辺の施設にまつわる用語についてです。
【ムラ】
兵庫県宝塚市にある宝塚歌劇団の専用劇場・宝塚大劇場のことです。
「宝塚に行く」と言うと、場所のことなのか劇場のことなのかわかりづらいという理由から、本拠地である宝塚大劇場はファンの間で「ムラ」と呼ばれています。
【東宝】
東京都千代田区にある宝塚歌劇団の専用劇場・東京宝塚劇場のことです。
【新人公演】
宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演されている演目を、入団1年目から7年目のジェンヌさんのみで上演する公演のことです。
通常公演の上演期間中に宝塚劇場で1回、東京宝塚劇場で2回しか上演されず、ファンの間でも貴重な公演とされています。
【キャトルレーヴ、キャトル】
キャトルレーヴは、宝塚歌劇団のグッズを販売するオフィシャルショップ。
キャトルと略されて呼ばれることもあります。
パンフレットやCDなどの公演グッズはもちろん、キャラクターとのコラボグッズ、スターさん・トップさんたちの推し活グッズなど様々なグッズを扱っています。
オンラインショップも開設されていて、観劇の前や後にグッズを買うこともできますよ。
◆公演内容について
公演の構成や、劇中に登場する舞台セットや演出にまつわる用語です。
【二本立て】
1幕はお芝居、2幕はショーで構成されている作品のことです。
【一本物】
1幕と2幕二部構成のお芝居で構成されている作品のことです。
【お芝居】
ストーリーに沿って展開される台詞ありの作品です。
ミュージカル作品はお芝居に位置付けされます。
宝塚歌劇オリジナル作品の他、ブロードウェイ初のミュージカルや漫画・アニメ・映画の舞台化もお芝居です。
【ショー】
歌とダンスを中心に構成された作品のことです。
ショーは1つのテーマに沿って、場面転換と衣装替えを交えながら展開されます。
基本的に、宝塚歌劇のオリジナル作品です。
【大階段】
大階段(おおかいだん)は、宝塚歌劇が独自で使用する舞台装置です。
フィナーレやパレードで、光り輝く階段から、出演者が次々に降りてくる圧巻の場面で登場します。
大階段は全部で26段あり、高さは4メートルほどあるそうです。
【銀橋】
銀橋(ぎんきょう)は、宝塚大劇場と東京宝塚劇場にあるオーケストラピットと一階席前列の間にある通路のことです。
お芝居やショーの中で出演者が通り、それが効果的な演出として使われています。
【フィナーレ】
作品の最後に出演者全員が登場する公演の最後の場面です。
これまで登場した楽曲がメドレー形式で登場し、それに合わせてフィナーレ用の衣装をまとったジェンヌたちが歌い踊ります。
【デュエダン】
ショーの中盤や終盤に、男役トップと娘役トップが2人きりで踊るデュエットダンスのこと。
トップコンビの関係性から滲み出る雰囲気、音楽、衣装など、ロマンチックなダンスシーンは宝塚作品に欠かせない見せ場です。
【パレード】
拍手せずにはいられない、フィナーレの最後の場面です。
大階段からジェンヌが次々と降りてきて挨拶をします。
パレードの最後に2番手の男役スター、娘役トップ、男役トップが背中に大羽根を付けて1人ずつ降りてきます。
【エトワール】
パレードで最初に降りてくるジェンヌさんです。
作品の主題歌をエトワール用にアレンジし、ソロを歌うため、最も歌唱力の高いジェンヌが選ばれます。
たいていエトワールを務めるのは娘役です。
エトワールとは、フランス語で星を意味します。
◆推し活について
ヅカファンが推し活でよく使う用語です。
【組】
宝塚歌劇団の組制度によって分けられている5つの組のことです。
花組、月組、雪組、星組、宙組の5つの組があり、それぞれの特徴についてはこちらの記事でも紹介しています。
【トップ】
各組において男役と娘役の頂点に立つのがトップです。
男役のトップは「トップスター」、娘役のトップは「トップ娘役」と言います。
それぞれのトップを総称してトップコンビと呼びます。
【スター】
宝塚歌劇団特有のスターシステムにおけるジェンヌさんたちの呼び方です。
ジェンヌさん全員をスターと呼ぶ場合もあれば、各組で重要な役どころを演じる上位の男役をスターと呼ぶ場合もあります。
【番手】
番手(ばんて)は、各組に所属するジェンヌさんたちが上から何番手のポジションにいるのかを表す用語です。
トップの次には、2番手、3番手のジェンヌさんが続きます。
大体は2番手から3番手までのジェンヌさんが、「番手付き」と呼ばれます。
【研◯、研究科◯年】
研究生から宝塚の初舞台を踏んで何年になるかを示す用語です。
つまりは入団年数を表していて、入団5年目なら「研5」、入団7年目なら「研7」になります。
【贔屓】
御贔屓にしているジェンヌさん、つまり推しのことです。
【スカステ】
スカパー!の宝塚歌劇団専用チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」の略称です。
これまで劇場で上演された作品を放送するほか、ジェンヌさんたちのインタビューやオリジナルのバラエティ番組などを放送していて、ファンにはおなじみのチャンネルになります。
【友の会】
宝塚歌劇団の公式ファンクラブ「宝塚友の会」の略称です。
劇団全体そのものを支える有料会員制のファンクラブで、チケットの先行予約や会員限定イベントなどの特典があります。
【会】
友の会とは別で、会はタカラジェンヌ個人を応援する施設の有料会員制のファンクラブのことです。
劇団全体の公式ファンクラブではなく、ジェンヌのファンたちが運営しています。
会で確保したチケットを捌いたりジェンヌの身の回りのお世話をしたり、マネージャー的な役割も担っているファンクラブです。
【お茶会】
ジェンヌ個人が開催するファンミーティングのことです。
カフェやホテルの宴会場などを貸し切り、1時間ほどのトークイベントを行います。
そのジェンヌさんの会のメンバーだけではなく、非会員でも参加可能です。
■まとめ
宝塚歌劇団を観劇するときの疑問や、ファンがよく使う用語について紹介しました。
宝塚は意外に観劇の敷居が低く誰でも気軽に観られること、また、ファンが使う独特な用語の意味が分かれば、より宝塚が楽しめることが伝わりましたでしょうか?
周りにヅカファンがいるのなら、用語を知って彼女ら・彼らの話がわかるようになると、さらに宝塚沼が楽しくなりますよ!
宝塚に興味がある人、もう少しディープに沼にハマってみたい人は、ぜひこちらでご紹介した用語も覚えて帰っていただけると幸いです♪
ミュージカル、演劇鑑賞が大好きなハピエルライターによる記事です。
2022年よりエンタメハピエルの記事を執筆しています。
劇団四季、宝塚歌劇を時々見に行っています。
関東在住ライター、関西在住ライターがリモートワークで執筆しています